Vol.11 中村健太 1/9 | 取材に行こう!
人と出会うこと。それは社会を知る手段であり、視野を広げる方法です。
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Vol.11 中村健太 1/9
 



建築家の役割は、
かっこいいデザインをつくって終わり?

●“生き方を探す人の仕事探し”をテーマに、東京仕事百貨を手がける中村さんですが、大学生の頃は建築を勉強してらっしゃったんですよね。大学に進学するとき、どうして建築を選んだのでしょうか。

 僕は中高一貫の男子校に通っていたのですが、中学生のときに将来について考える合宿のようなものがありまして、そこでなんとなく建築かなと思ったんですよ。うっすらとしたイメージですけどね。

 振り返れば、小学生の頃の生徒会では参謀役のようなポジションに就き、クラスのみんなを巻き込みながら運営したり、中学生や高校生の頃も文化祭を盛り上げたり……、昔から当事者として関わりつつ、なにかしらの場や状況をつくることを楽しんでいたように思います。

 “場や状況が好き…、それっていったいなんだろう…”、中学生のときにそんなことを考えたのですが、その結論として建築が近いと思ったんでしょうね。僕は理系の高校生だったので物理や化学という選択肢もあったのですが、そのどちらにもあまり興味が持てませんでした。ただ、その頃はそんなに深く考えていたわけではないですけどね。


●大学で実際に学んだ建築は、中学生の頃にイメージしていたものと違いはありましたか?

 もちろん完全に一致するということはありません。でも、学んでみると建築は楽しいものでした。僕は、意匠、つまりデザインを専攻していたのですが、好きで勉強していたこともあり、成績はなかなかよかったんですよ。ところが3年生になってから、急にデザインがつまらなくなってしまうんです。

 なぜつまらなくなったかというと、デザインをすることより、デザインを誉められることに楽しみを見いだしている自分に気づいてしまったからです。評価されることはうれしいのですが、そんな考え方でいいのかなという思いがフツフツとわいてきました。

 デザイナーは建物ができるとそこで役割を終えてしまいます。それはふつうのことだし、なにか問題があるわけではありません。でも、僕はそれでは満足できなかったんです。たとえばプロジェクトに置き換えて考えたとき、場を作って終わりということではなく、継続的に関わるなど、プロジェクトが立ち上がった後のことも考えたいと思ったんですよ。

 建物をただつくればいいなら、デザイナーはデザインとして評価されるような建物を作ってしまう危険があります。建築関係の雑誌などを見るとかっこいい建築物が取り上げられ、もてはやされていました。それが悪いことだとは思いませんが、僕にはなんだか狭い世界の出来事に見えてしまったんですね。“評価を受けることがデザインの目的なのかな?”ってもやもやしてきて、デザインがつまらなくなってしまったんですよ。




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